2018.07.23

四季色々 日本の美しい風景とともに知っておきたいこと 六、夏の風物詩 花火の掛け声はなぜ「たまや」「かぎや」なの?

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暑い夏の夜空に美しく咲く「花火」。夏の時期には、各地で花火大会が開催され、夏の風物詩のひとつになっていますね。みなさんは花火が打ち上げられたときに、「たまや〜」や「かぎや〜」なんて掛け声が上がるのを聞いたことはありませんか?この「たまや」「かぎや」の掛け声には、いったいどういう意味があるのでしょうか?今回は、夏の風物詩 花火の掛け声についてご紹介したいと思います。

花火の起源とは


花火の素になる火薬は、今から2000年ほど前に中国で発明され、戦の武器として使われました。、やがて通信手段の狼煙(ノロシ)が夜にも用いられるようになり、13世紀になるとヨーロッパに伝わり、火薬をきらめかせる技術が花火へと発展します。


日本では、1543年に種子島へ鉄砲が伝来したときに火薬が伝わりました。日本で初めて花火を鑑賞したのは、徳川家康と言われています。家康が見たのは竹筒に火薬を詰めて火を噴くだけのものでしたが、三河地方に残る「手筒花火」はその名残だといわれています。その後、花火は職人たちによって急速に発展し、江戸で開花します。


花火師、鍵屋と玉屋の競演


しかし花火は火事の原因になるとされ、町中での使用は禁止されていましたが、水例祭「両国川開き」の時だけは花火の打ち上げが許されていたそうです。これは現在の「隅田川花火大会」の原型になったと言われています。そしてそこで活躍したのが日本橋横山町の花火師、鍵屋六代目弥兵衛です。


商才に長けた鍵屋六代目弥兵衛は花火市場をほぼ独占していたのですが、文化5年(1808年)に「鍵屋」番頭の静七が暖簾分けをし、両国吉川町で玉屋市兵衛を名乗ることとなります。両国で玉屋が開業したことで、川の上流を「玉屋」、下流を「鍵屋」が担当するようになり、川開き花火大会は、二大花火師の技を競い合う場となりました。


夜空に交互に打ち上げられる玉屋と鍵屋の花火を見て、花火見物の観客達は、「より美しく、素晴らしい」と思った花火師の屋号を呼びました。これが、花火大会で耳にする「たまや〜!」「かぎや〜!」の掛け声の由来と言われています。

二大花火師のその後


花火の技術は玉屋のほうが遥かに勝っており、次第に玉屋の人気は鍵屋をしのぐほど高くなっていきます。当時の浮世絵でも花火が描かれているのは、もっぱら玉屋の花火です。現在でも花火の掛け声で「たまや」が多いのは、この時の圧倒的な人気が影響していると言われています。


しかし、1843年に玉屋からの出火が原因で大火事を起こしてしまい、玉屋は江戸の町を追放されてしまいます。こうして玉屋は、創業からわずか35年間、たった1代で廃業となってしまうのです。


一方の鍵屋は、現在まで代が引き継がれ、2000年には女性が15代目を襲名。今なお花火大会のみならず、各種イベントで活躍を続けています。

今年の花火大会に行かれる方は、掛け声にも注目して聞いてみると、また違った楽しみ方ができるかもしれませんね。



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文/WATASHINO 山口宣之

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