WATASHINO的 手紙のススメ vol.8 寒中見舞い、余寒見舞いでお礼状 〜季節の挨拶状をお礼状に活用する〜

株式会社山櫻のセカンドブランド +lab(プラスラボ)のクリエイティブディレクター 大場敦子さんによる連載企画「WATASHINO的 手紙のススメ」では、手紙もひとつのコミュニケーションツールでありビジネスツールであると考え、“「ワタシ」を印象付ける”をキーワードに手書きの手紙にまつわるコラムをお届けします。
季節の挨拶状をお礼状に活用する
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。
この新年の挨拶のことば、いつまで使っていいの?ふと考えてみるとちょっと曖昧です。そもそも定義があるのか?松の内が明けるくらいまでの挨拶かな?いやいや、1月いっぱいは新年初めて会うひとには言うでしょ!と人それぞれの感覚で使っているような気がします。
まあ、日常の挨拶ですから定義を守ると言うよりは、気持ちがいちばん大切と思うのは私だけでしょうか…。
しかし手紙の場合は、直接交わす挨拶とは違って皆さん明確な定義があると考えているのではないでしょうか。日本郵便のホームページによると寒中見舞いは、松の内(関東)の明けた1月8日から節分(2月3日頃)まで、余寒見舞いは立春(2月4日頃)から寒さが続いている時期とされています。
ですから年賀状は松の内の間の元旦〜1月7日までとなります。
寒中見舞いや余寒見舞いは、年賀状の返事としておくる方もいらっしゃるかもしれませんが、そもそもは寒さの厳しい時期に相手を気づかっておくる挨拶状です。
このふたつの挨拶状のタイミング、出しそびれてしまったお礼状に活用してみてはいかがでしょうか。もちろん、年賀状で日頃の感謝を伝えるのも素敵ですが、あえて年賀状とは時期をずらしておくる寒中見舞いや、余寒見舞いは印象に残りやすくなります。
お礼のタイミングとしては遅くなってしまっていたり、ベストな時期ではなかったりしても、季節の挨拶が主たる目的の手紙となれば、そこに添えられたお礼のことばもタイミングを逸してしまったことよりも、挨拶状をおくってくれたことや、以前のことを覚えていて感謝を伝えてくれたということに気持ちが動き、かえって好印象を与えます。
年賀状をいただいたけれども、こちらからは送ってなかったなぁ…
お礼状を書こう書こうと思っていたけど、年が明けてしまった…
なんて方は、是非、今年は寒中見舞いや余寒見舞いを使ってお礼状を書いてみてください。余寒見舞いなら、まだ2ヶ月くらいは大丈夫ですよ〜。新しい年の、新しい習慣として試してみてください。
…さて、手紙の書き方コンサルタントを名乗っていながら筆無精の私にとっても、寒中見舞いと余寒見舞いは強い味方です(苦笑)。



大場 敦子Atsuko Oba
+lab(プラスラボ(R)) クリエイティブディレクター
デザイン、印刷関連、雑貨店などの仕事を経て、株式会社山櫻で文具のブランド「+lab」のクリエイティブディレクターを務める。


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