2017.07.24

潟ニリタ 竹藤会長に訊く 地味な領域を勝ち抜くために生み出された"へそ曲がり戦略" ユニークな発想で新しい価値を生み出す (前編)

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インタビュー

 

採用面接や提案営業の初回訪問時など、誰かと会うときに短い時間でも強い印象を残すには――。

 

組織の頂点に立つ人には日々多くの人が訪れる。経営者の視点から見た「記憶に残る人」、「もう一度話を聞きたくなるビジネスパーソン」の特長とは何だろうか?
経営者自身が実際に心がけているポイントも聞ける経営者インタビュー『PERSON 〜印象に残るあの人〜』。
今回は、データ活用とシステム運用を手掛け急成長中のパッケージソフト開発会社、株式会社ユニリタの竹藤会長に、仕事をする上での独特の視点とこだわりについてお話をお伺いした。



 

―これまでに、会長にとって印象に残った人はどんな人でしょうか?

 

年間3,000回以上名刺交換をしますが、会話の内容から私の脳みそに刺激を与えてくれる人は強烈な印象が残りますね。


そういう人というのは、これまで当たり前とされていた考え方や価値観に対して違う角度から切り込める人です。
いつも話している内容に、新鮮な答えが返ってくると面白いと感じます。
(話題に関して)自分の引出しが足りないと感じれば、より強烈なインパクトが残ります。また会って話をしたくなりますね。


あとは、フィルターをかけて人を見ない、どんな立場でも同じように思ったことを遠慮なく言う人も好感を持ちますね。


 
 


 

―人と違った発想を持つことを追求することになったルーツを教えてください。

 

私たちはITシステム運用管理パッケージソフトウェアの開発を行なっており、地味な領域を扱う会社なので、特徴を出して選んでもらわなければなりません。
特徴を出すにしても、派手な事をやればいいというわけではなく、他社がやっていないようなことをやるようにしています。

会社名「ユニリタ」は、会社の行動指針をもとに「ユニ」は「ユニーク」、「リタ」は「利他」から作った造語です。
私たちは基本的にへそ曲がりの集団ですから、他社と同じことをしても面白くない、そういった「ユニーク」な精神と、他人の利益を優先する「利他」の精神を持って、お客様に対応することを企業の理念としています。


 
 


 

―名刺にもその精神が表れていますね。


お客様とお会いする回数が少ないので、渡す名刺に顔写真を入れて印象を残すようにしています。
あとは、メールアドレスや電話番号の読み間違えを防ぐためにフォントサイズを大きくしました。
文字が小さいと3を8に間違えてしまうことがありますよね。

そして、ホームページのURLや会社の電話番号を取り除きました。
「名刺に記載してあるホームページのURLは本当に読まれているのか」という発想から、
「最近はインターネットで検索する方が一般的なんじゃないか」という話に結論づきました。

会社代表や部署の電話番号を記載しなかったのは、営業に直接電話をかけていただいて良いという考えが背景にあります。
多くのお客様は、お気遣いから携帯電話でなく、部署を一度通して営業にお電話をかけていただきます。
しかし、営業に直接電話をかけていただいた方が、時間もリソースもカットできるのではないかと思いました。
これまでの慣例から続けていたことも、見直して必要ないと感じたものは思い切って無くそうと判断したのです。

こうして使われていないだろうと思われる情報は取り除き、お渡しする紙面には会社名と役職、氏名、連絡先というシンプルなデザインにしました。
しかし社員数が増えれば増えるほど、名刺が「普通」のデザインになってしまうのは仕方ないことだと思います。

統一感を出すことも大切ですが、こういった会社を表す「名刺」というツールは、コストもあまりかからないので、デザインに個性を出さないのはもったいない。
(ビジネスモデルに)自信があるからこそ、このデザインでやっています。

この名刺一枚で若い営業がお客様のところに訪問した時に、10分くらいは話題がつながるということもあります(笑)。
忘れられない出会いを名刺を通して演出しています。
 
 

必要最低限の情報に抑えられたシンプルなデザイン。名刺受け取った人が読みやすく、自分たちも覚えてもらえやすいように、という戦略がある。


 

―会長の考え方のスタイルは、いつ頃から確立されていたのでしょうか?

 

随分以前からすでにこういう考え方になっていたように思います。

1996~97年の時、2000年問題※で大変な話題になりましたよね。対応する部署は困難な業務になりそうだと遠くから見ていたら、突然その部署への異動を通達されました。当時開発やセールスも経験していましたが、そこでユーザーサポートを任されることになったのです。

お世辞にも活気があるといえる部署ではありませんでしたが、そこで私のへそ曲がりの能力がフルに発揮されました(笑)。改善するべきところが沢山あるから、好きに色んなことに挑戦していいと思ったのです。そこはお客様のサポートをする部署ですけど、セールスマインドを持ってやろうと思いました。イベントの集客も積極的に行い、商談を進めることもありました。部署全体が主体的になりましたし、セールス部門に「あの部署には負けるな」と言われたりもして。

生き残っていかなければならないと思っていたから、おのずと知恵が出てきたように思います。

※2000年問題…(別名、Y2K問題)、西暦(グレゴリオ暦)2000年になるとコンピュータが誤作動する可能性があるとされた年問題のこと。