2019.01.11

WATASHINO歳時記 今さら人には聞けない 「鏡開き」と「鏡割り」の違いとは?

TAGS 豆知識

お正月にお供えした鏡餅を1月11日に木槌で叩いて割り、お雑煮やお汁粉にして食べる日本の年中行事と、結婚式やパーティーで日本酒の入った樽の蓋を木槌で割ることをどちらも「鏡開き」や「鏡割り」と言います。基本的にどちらも同じ意味の言葉ですが、どうして2つの言葉が使われるようになったのでしょう?今回は、そんな「鏡開き」と「鏡割り」の違いについてご紹介したいと思います。

そもそも鏡開きとは

お正月は毎年その年の年神様を招き入れるという行事でした。年神様は、お正月に飾る鏡餅に宿るとされ、年神様がお帰りになる1月7日以降の1月11日に、鏡開きを行うことになりました。

鏡開きとは、お供えした鏡餅を木槌で叩いて割り、神様に感謝しながら家族の無病息災を祈りながらお雑煮やお汁粉にして食べる行事です。鏡餅を包丁で切る行為は、切腹を連想させることから縁起が悪いとされ、木槌や手で割るようになりました。

一般的には毎年1月11日が「鏡開きの日」とされていますが、もともとは松の内が終わる小正月、1月15日後の1月20日に行われていました。しかし徳川家光が亡くなったのが、慶安4年(1651年)4月20日であったため、1月20日を忌日で縁起が悪いとして、松の内後の1月11日へと変更されたのです。当時の1月11日は旧暦でしたが、西暦に変わった現在でも1月11日に鏡開きが行われています。ただし地域によっては、1月20日に行われるところもあります。

鏡割りとは

鏡割りは、武士が戦いに出陣する前に気持ちを高めるため、酒樽の丸さと上蓋を神鏡に見立て、上蓋を割って酒がふるまわれたことが始まりとされ、必勝祈願の儀式でした。それが時代とともにやり方や考え方が変わり、お祝いの席での風習として現在も定着しています。

結婚式やパーティーなど祝い事の場で行われる、日本酒の樽の蓋を木槌で割ることを、「割る」という言葉を避けて「鏡開き」と言うことが多いです。結婚披露宴で行われる鏡開きには、「健康」「幸福」「両家の繁栄」という3つの意味があるそうですよ。

まとめ

このように「鏡開き」と「鏡割り」は、基本的に意味は同じです。本来は「鏡餅を割る」ので「鏡割り」ですが、「割る」という言葉が忌み言葉として縁起の良い場ではふさわしくないため、「開く」に言い換えられたのが「鏡開き」です。新年を迎えることや新しい門出の祝いといったおめでたいことには、「鏡開き」という方が望ましいということですね。言葉に対する縁起や運をとても気にするのは、日本人らしさといえるのではないでしょうか。

日本の伝統行事や伝統文化の意味や由来を知ると、昔の人の想いや考え方が分かって面白いですね。日本人として本来の意味を知ったうえで、伝統行事や文化を伝えていきたいと思いました。


文/WATASHINO 山口宣之

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