2018.08.28

WATASHINO的 SDGsのヒント Vol.1 “MOTTAINAI”を社会貢献に!フードバンクの取り組みとは?

TAGS SDGs

最近、新聞やテレビの中でよく耳にするようになった「SDGs(エスディージーズ)」という言葉。SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称であり、2015年9月に国連で開かれたサミットの中で世界のリーダーによって決められた、国際社会共通の目標です。

SDGsへの取り組みや成果は、ESG投資の評価軸としても活用されるようになりつつあります。また、地球上のすべての人が取り組むべき課題に重ねて、自社の事業開発やCSR(企業の社会的責任)の取り組みを進めるという意味からも、企業がいかにSDGsに取り組むかは、今後ますます重要になってくると思われます。


しかしSDGsの重要性は認識しながらも、いざ取り組むとなると、具体的にどのように活用していけばよいかわからないという声も多いのが現状です。そこでWATASHINOでは、「WATASHINO的 SDGsのヒント」と題して、SDGsの身近な取り組みや活用方法などをご紹介していきます。1回目のテーマは、新たな社会貢献活動として、徐々に浸透している取り組みのひとつ「フードバンク」についてです。

What is food bank?

フードバンクとは


「食料銀行」を意味する「フードバンク」とは、食品メーカーや外食産業では品質に問題がないのに、商品として販売できずに処分される食品が日々、生まれています。たとえば、運送中に梱包されている箱の角が少し潰れてしまった商品や、賞味期限の日付を間違えて印字してしまった商品などです。このような商品を無償で引取り、児童や生活困窮者など食べ物に困っている福祉施設に渡し、消費してもらう活動のことを言います。


フードバンクを活用することは、渡す側は廃棄費用の削減やCSR(企業の社会的責任)活動となり、受け取る側は食費を軽減することができるので、双方にメリットがある仕組みです。1960年代にアメリカで発祥し、日本でも2000年代から各地で活動が開始されていますが、フードバンク活動の背景となる「食品ロスの問題」や「貧困問題」への認識が十分に浸透していないこともあり、まだフードバンクの活動が十分に認知されているとは言い難いのが現状です。

PROBLEM

食品ロスの問題


食べ物が捨てられてしまう理由としては、包装状況の問題や規格外品など表示ミス、期間限定商品の在庫、予定外の生産や不良品などに加え、日本の食品流通業界の商習慣である「3分の1ルール※1」も要因の一つとされています。


日本では年間約1,927万トンの食品廃棄物が排出されており、その中にはまだ十分食べられるにもかかわらず廃棄されている食品、いわゆる「食品ロス」が多く含まれています。食品関連事業者からは約330万トン、一般家庭からは302万トン、合計すると年間約632万トンもの食べ物が、まだ食べられるにもかかわらず廃棄されています。


出典:「食品ロスの削減に向けて 〜食べものに、もったいないを、もういちど。〜」農林水産省 平成28年6月より

貧困問題


日本は先進国にも関わらず、OECD諸国※2の平均と比べて「相対貧困率」が高くなっています。日本の貧困問題は年々深刻となりつつあり、貧困世帯で暮らす17歳以下の子どもは全国で300万人余りに上り、子どもの6人に1人の割合となっています。


経済的に困窮して日々の生活に困る世帯も多く、あって当たり前のものが貰えなかったり、経験する機会を奪われたりと、親の収入や就業状況が子どもの学力に影響し、その子どもの将来にも大きく影響しています。こうした環境は中長期的には「貧困の連鎖」を生み出すことが危惧されます。


出典:平成25年「国民生活基礎調査」厚生労働省より


さまざまな理由で膨大に食べ物が捨てられている一方で、
食べ物に困っている人がいるという現実。

Action

フードバンクの活動


フードバンクの活動は、余っている食べ物を持っている支援者の方と、食べ物を必要としている受益者の方とをつなぐ役割(食べ物の仲人役)をはたしています。


扱う食品・扱えない食品


フードバンクでは、食べ物を右から左へ横流しするのではなく、必要なものを必要な数だけ必要なところへ提供する“マッチング”を行っているので、賞味期限内に確実に使っていただくためにマッチングにかかる時間を考慮する必要があります。


また食品の中にも、寄付が可能な食品と寄付が受けられない食品があります。


    画像引用:Second Harvest Japan ホームページより


to Fit

日本に合っているフードバンク


フードバンクという活動は、じつは日本の社会に適した仕組みなのではないでしょうか。日本人は商品の梱包状態に非常にシビアな目を持っていると言われ、包装が少しでも傷ついていると商品として販売することができません。そのため梱包不良による不良品が多く発生していると予測されます。これはフードバンクに提供することができる食品が多く存在することになります。またフードバンクの根幹には「もったいない」と考え方があります。日本人なら誰でも知っている「もったいない」を活動の基礎としているので理解を得られやすいです。ちなみに「もったいない」という日本発祥の言葉は、世界中で受け入れられ、「MOTTAINAI」という世界共通の言葉として普及しています。

MOTTAINAI

このように梱包にシビアで「もったいない」という考え方が当たり前にある日本では、さらにフードバンクの活動が広がる可能性が十分にあります。

Relation to SDGs

SDGs(持続可能な開発目標)との関連


フードバンクの活動はSDGsの目標2「飢餓をゼロに」の達成に大きく貢献する活動です。SDGsの目標2番では、「脆弱な立場にある人々が一年中安全かつ栄養のある食料を十分得られるようにする」ことを目指しています。また廃棄される食品を有効活用するので、目標12「つくる責任 つかう責任」との関わりも大きくあります。

2 飢餓をゼロに

飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する

12 つくる責任つかう責任

持続可能な消費と生産パターンを確保する


現在では各地にフードバンク活動を行う団体が設立されていて、ボランティアを募集しているところも多くあります。ぜひ、フードバンクの活動に参加されてみてはいかがでしょうか。

日本の代表的なフードバンク活動を行っているNPO法人

セカンドハーベスト・ジャパン

http://2hj.org/

※1 3分の1ルール

メーカーから卸売り業者を通じて小売業者に納入されるまでの期限は、製造日から賞味期限までの期間の3分の1までとするルール。また、販売期限は製造日から賞味期限までの期限の3分の2までとされ、その期間を過ぎると賞味期限内であっても店頭から撤去され、返品や廃棄されるのが一般的。海外でもこのような納品期限は存在しているが、たとえば、米国では2分の1、フランス、イタリア、ベルギーは3分の2、英国では4分の3となっており、日本の3分の1は国際的に見ても短いと言える。


※2 OECD諸国

OECDは「Organisation for Economic Co-operation and Development:経済協力開発機構」の略で、本部はフランスのパリに置かれている。もともと、戦後ヨーロッパの経済復興のために組織されたOEEC(欧州経済協力機構)が改組され、加盟国を増やし、現在のOECDとなった。2016年現在、35カ国の加盟国を持ち、経済成長、貿易自由化、途上国支援の3つを目的とした活動を行なっている。OECD加盟国には経済的に恵まれた国が多く、加盟国全体で世界人口2割に満たないにもかかわらず、世界の総生産額では3分の2をしめていることから「先進国クラブ」と言われている。

profile-2

神田 京輔Kyosuke Kanda

青山学院大学文学部史学科卒業
2005年株式会社山櫻入社。
営業職を経て、商品企画や営業企画を担当。
1982年、神奈川県生まれ。


Favorite color:ネイビー



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