2019.01.25

口コミだけで20年!人気パーソナルカラーアナリスト 矢吹朋子氏に訊く 「個性の輝かせ方」と 「コミュニケーション術」とは

TAGS インタビュー

肌や瞳の色が一人一人違うように、人それぞれ似合う色は異なる。自分に似合う色が見つかる「パーソナルカラー診断」は、今や女性がプライベートの服を選ぶためだけでなく、ビジネスシーンで服装やそれを提案する側の接客スキルとして、ビジネスの場でも高い関心が寄せられる注目のトピックだ。

ブラッシュアップStyle 主宰でパーソナルカラー&メイク講師の矢吹朋子氏は、これまで7,000人以上の女性たちを診断し、婚活女子や企業家など、印象をアップしたい働く女性から絶大な支持を得るパーソナルカラーのプロフェッショナルである。著書の「美人だけが知っている 似合う服の原則(主婦の友社)」は発売から2週間で重版決定するベストセラーに。ファッション誌「MORE(モア)」や「MAQUIA(マキア)」でパーソナルカラー特集の監修を手掛け、多くの大手企業でイベント・セミナーを行うなど、幅広く活躍する女性起業家である。今回は、矢吹氏のこれまでのキャリアと、色が持つ力、そして自己を表現することの重要性についてお話を伺った。

「ブーケやドレスを提案するためのスキルが
いつしか本業になっていました」

商社勤務を経て、オーストラリアのシドニーに渡った矢吹氏。
3年後、帰国した時に「手に職をつけたい」という想いから再び商社で働きながらブライダルのプロデュース学校へ通い始める。
平日はオフィスで働き、週末は学校から紹介されたブライダルの仕事をこなす毎日。
そんなパワーに満ち溢れた矢吹氏の好奇心が、ある「気づき」をもたらす。

―パーソナルカラー診断を始めることになったきっかけは何だったのでしょうか?

矢吹朋子氏(以下矢吹):ブライダルという仕事柄、たくさんのカラードレスを見ていたのですが、同じピンク色のドレスでも、着る人によって印象がまったく違うことに気づきました。顔立ちは似ていても、ある人は華やかに見え、ある人は地味に見えてしまう。同じ色なのに見え方が違うことが不思議でした。そこでパーソナルカラー※1を知り、似合うピンクの種類が人によって違うということを知りました。当時はブライダルのスキルの一環として、パーソナルカラーアナリストの資格を取得しましたが、知れば知るほどパーソナルカラーは奥が深くて、色自体の魅力にのめり込み、アナリストの道へ進もうと決断したんです。

※1 パーソナルカラー

パーソナルカラーは4つのタイプに分類され、それぞれのタイプが季節に例えられる。ピンクひとつをとっても、タイプによって似合うピンクが微妙に異なる。スプリングやオータムはイエローをベースとした色が、サマーやウィンターはブルーをベースとした色が肌をきれいに見せる。

→パーソナルカラーについて詳しくはこちら

→パーソナルカラー診断はこちら

人脈を頼りに実績を重ね、診断のスキルを磨く。
インターネット環境が整っていない時代、口コミだけがパーソナルカラーを伝播する術だった。
色を見分ける天性の目の良さと、持ち前のトーク力で矢吹氏の躍進は続く。

―当時の反響はいかがでしたか?

矢吹:パーソナルカラーなんて誰も知らないので、まず仕事がありません。友人から知り合いを紹介してもらい、診断実績を増やしていきました。軌道に乗るまでは、ウェディングドレスを新婦に選ぶアルバイトをしていて、そこで私の「似合う色を見つける」というスキルが活かされました。自分がアドバイスしたドレスが次々に売れて、社員さんよりも売上成績が良かったんです(笑)。それから、週末だけだったパーソナルカラーの仕事が平日もお受けするようになり、自宅で診断していたのがオフィスを借りるようになり…と、少しずつステップアップしていった覚えがあります。

―軌道に乗り始めたのはいつ頃からですか?

矢吹:パーソナルカラーが専業となり始めたのは、今から15年前くらいのことです。軌道に乗るまでは本当に大変でしたね。今はインターネットやSNSで、パーソナルカラーの存在を知って、診断にいらっしゃる方も増えましたが、スタートした当初は、インターネットもSNSも普及していない時代だったので、チラシを刷って配ったりしていました。

「口コミで広めてもらうには、
診断して面白かったと思ってもらえること」

起業してからは怒涛の日々の連続。
個人事業はいつ客足が途絶えるか分からずリスクも高い。しかし、矢吹氏のもとへ訪れる悩める女性は後を絶たない。
人のパーソナルカラーは生涯変わらない。つまり、リピーターはいないのに、なぜ20年以上の間、表参道の一等地で事業を続けることが出来たのか?その答えは矢吹流コミュニケーション術にある。

―矢吹さんの教え方は分かりやすいと評判です。コツは何でしょうか?

矢吹:難しいものだと思うと人の心には伝わりません。パーソナルカラーを初めて知る方にも理解しやすいように、色々な例えを示しながら、人によってトークの内容を変えて分かりやすく説明しています。診断して面白かったと思ってもらえることが一番ですから。また、シンプルかつ明確に伝えることで、相手の腑に落ち、口コミで広まりやすいのだと思います。

―パーソナルカラーの魅力は何ですか?

矢吹:パーソナルカラーの魅力は、色の力でその人の一番いい所を引き出し、簡単にイメージアップのお手伝いができる事です。人には「怖く見られる」「話しかけづらい」「大人しそうに見られる」などの第一印象の悩みがありますが、色の使い方を変えるだけで簡単に印象を変えることが出来たり、「顔が青白く疲れて見えやすい」などのお肌の色に関する悩みも、メイクやお洋服の色の反射と目の錯覚を使って見えにくくすることができるのです。

―起業時は診断とメイクを同時に出来るアナリストは少なかったようですが、メイクレッスンを始めたきっかけは何ですか?

矢吹:パーソナルカラー診断はお肌の色を見るので診断時すべてお化粧を落とす必要があります。どうせならメイクができた方が診断後もお客様が楽しいと思って、メイクのスクールに通い始めました。今では診断とメイクのセットが当たり前ですが、私自身が診断を受けた25年前、メイクができるアナリストはいませんでした。診断が終わったら、最後に自分に最も似合うベストカラーのドレープを付けて写真を撮るのですが、私はノーメイクの状態で仕上がった写真を見ても納得できず、スプリングという結果を受け入れることができませんでした。私はそれまでサマーの服やメイクをたくさん持っていたので、すぐにサマーに戻してしまったんです。

矢吹:あれから自分が説明する側になって、そのときの経験から、お客様に似合う色というのはどういう事か、また似合いないというのはどう見える時なのかを明確に伝えるようにしようと強く思いました。そうでないと、元々自分が選んでいた色に戻してしまいますからね。長年の診断実績で積み重ねてきたノウハウもあります。独自の理論でお客様一人ひとりに似合う色を明確に説明して、メイクで実践し、ご納得いただける解決策を提案しています。

「一番いけないことは、
周囲と同じであることに安心することだと思っています」

パーソナルカラーの起源は、1920年代にアメリカで提唱された色彩調和論にはじまる(諸説あり)。1980年代に日本に渡り、カラースクールもこの時期に開校された。それにも関わらず、広く認識され始めたのはここ2、3年である。なぜ、急激にパーソナルカラーの需要が高まったのか?それは、日本人の消費スタイルが関係していると考えられる。

「安ければいい」というスタイルが減り、「高くても良いもの」を選ぶ人が増えた。そして次に、消費者の価値観は「自分らしいもの」に移行し始めている。本来持つ自分の個性を表現する方法として、パーソナルカラーに注目が集まっている。矢吹氏も、個性を表現することの重要性、ひいては個を埋没させてしまうことへの危険性を訴えている。

―矢吹さんのサロンで診断に来る男性は増えていますか?

矢吹:圧倒的に女性の方が多いですね。男性は全体の1割にも満たないくらいです。それでも、以前に比べれば確実に増えてきました。今までは似合わない色の服を着て老けて見えても、男性で損する人はあまりいませんでした。年長者に見えれば、その分「仕事が出来そう」というイメージに繋がることもあったのだと思います。しかし、最近はその考えも覆ってきているので、自分らしく見えて安定感のある印象を出したいという方が増えてきています。

―印象に残る人の特徴を教えてください。

矢吹:印象に残る人は、特に目に力がある人だと思います。目の大きさに関係せず、目に力がある人は生命力を感じますし、目を合わせることは信頼する態度でもあります。ですから、目の魅力を半減してしまうようなファッションは避けた方がいいと思います。眼鏡やネクタイなど、身に付けるものが悪目立ちすると目力が落ちます。そんなときこそ、パーソナルカラーで自分の魅力を引き出す術を知ることが大事なのです。

私は、一番いけないことは、周囲と同じであることに安心することだと思っています。みんなと同じような服、行動、考え方。みんな一緒だと無難で出る杭は打たれることはありません。しかし、印象に残らなければ人より突出した存在にもなれません。悪目立ちもいけませんが、印象に残らないのはもっとダメだと思うのです。最近は横並び意識に危機感を抱く人が増えていますから、「個性」や「自分らしさ」といったキーワードへの注目度が高くなってきたのかなと思います。

「何が自分を健康的に見せるかを知ること。
それがパーソナルカラーなのです」

―矢吹さんが印象についてこだわっている点はありますか?

矢吹:印象について抱く感覚は人それぞれ好みが別れてしまいますが、共通して好まれる印象は「健康的であること」だと思います。飾り立てる必要はないけれど、人に元気をお裾分けするには、まず健康的に見えることが本当に大事です。「あの人に会うとパワーをもらえる」なんて思われたら素敵ですよね。

では、自分を健康的に見せるにはどうしたらいいか。例えば、オレンジは元気な色ですが、オレンジが全員似合うかと言われたら、実はそうではありません。ある人が着れば血色が良くなり健康的に見えますが、ある人が着れば服ばかりが浮いてしまって子どもっぽく見えることもあります。人によって元気に見える色が違うので、その色を探すのがパーソナルカラー診断なのです。自分に似合う色を身に付けることで、自信にも繋がります。自分を知り、自分の持ち味を知ることで、イメージの方針を定めることができるのです。

「モチベーションは、お客様の喜ぶ姿。
諦めず続けることで、道は拓ける」

―日頃のモチベーションは何ですか?

矢吹:やはり、お客様を診断して似合う色でメイクをしたときに、お客様の顔色がぱっと明るくなった瞬間、ご本人や周りのお友達がとても喜んで盛り上がっている姿を見ると、やっていてよかったなと思いますし、続けていこうかなというモチベーションになります。

―働くうえで気を付けていることはありますか?

矢吹:難しいことではなく、単純なことですが、お約束したことを破らないこと。失った信用はなかなか取り戻せないので、信用を裏切らないように仕事をしていくことが大事だと思います。信用はお金で買えませんから。

―最後に、起業を目指す女性にメッセージをお願いします。

矢吹:大変なことが山積みで、諦めたくなると思いますが、長く続ければ実績になります。だから、諦めないで続けてください。長くやっていくことで成功に繋がります。諦めるのは早いですからね。良いときも悪いときも諦めずにやっていけば道は拓けます。

矢吹さんの名刺は、TSUTAFU(ツタウ)のパーソナルカラーデザイン名刺

山櫻のオンラインプリントショップ「 TSUTAFU(ツタウ) 」では、矢吹さんとコラボしたパーソナルカラーデザイン名刺を販売中。パーソナルカラータイプ別の色分けを、矢吹さんに監修していただきました。もちろん矢吹さんが表参道のサロンでお渡ししている名刺も、ご自身のパーソナルカラーであるスプリングカラーが基調の名刺をお使いいただいています。

左:古くから伝わるフランスの伝統色を、パーソナルカラータイプ別に、個性を引き出す2色をチョイスした全16パターンのデザイン名刺「2TONE color」。写真の矢吹さんの名刺は、明るい青色「BLUE CLAIR(ブルー・クレール)」とレモン色「JAUNE CITRON(ジョーヌ・シトロン)」を組み合わせた「N°01」。フランスの爽やかでからっとした海と太陽を連想させるスプリングカラーの名刺です。 →この名刺をつくる

右:日本人に馴染みのある花をモチーフとした「伝統文様」5種と、日本人の美の心である「日本の伝統色」20色を、パーソナルカラータイプ別に100種類の組み合わせから選べる名刺「PERSONAL COLOR MONYO100」。写真の矢吹さんの名刺は、感謝の気持ちという意味を持つ「桜」の文様と、スプリングカラーのひとつ「浅緋(うすあけ)」です。大人の女性にぴったりな和やかな一枚ですね。 →この名刺をつくる


2TONE colorの特集ページはこちら

PERSONAL COLOR MONYO100の特集ページはこちら





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矢吹 朋子Tomoko Yabuki

ブラッシュアップStyle 主宰

イメージアップ・コーディネーター

パーソナルカラースタイリスト、パーソナルカラー講師、メイクアップ講師


東京・青山にてパーソナルカラー診断&メイクレッスンサロン『ブラッシュアップStyle』を主宰。ブライダルの経験から『似合う色』の必要性を感じ、1998年にパーソナルカラー・コンサルタント 認定を取得。20年以上のキャリアを持ち、7,000名以上のパーソナルカラー診断やイメージアップのコンサルティングを行っている。


パーソナルカラー:スプリング(春)


公式サイトはこちらから >

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「美人だけが知っている 似合う服の原則」

¥1,296(税込)/主婦の友社

取材後記

矢吹さんが話し始めるとその場が華やぎ、こちらまで明るい気分になります。話している内容が自分を輝かせる知恵「パーソナルカラー」であるということだけが理由ではなく、困難な時期も諦めずに仕事を続けてきた気高さが説得力を生んでいると感じます。これから人の働き方はますます変化します。個性を磨くためにパーソナルカラーで自分の「色」を知ってみてはいかがでしょうか。


文/WATASHINO 四宮真梨恵  写真/WATASHINO 小野優衣


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